14日から大学入学共通テストが始まり、大学入試シーズンが本格化する。今年の入試は、どんな大学や学部に人気が集まりそうなのか。大手予備校によると、女子受験生の志望先には、例年にない傾向が見られる。「共通テスト離れ」も起こっているという。(上野創 田中紳顕 編集委員・増谷文生)
「女子受験生が、これまでにない動きを見せている」
河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は、今年の大学入試のポイントをそう話す。
昨年10月の模擬試験のデータをみると、男女を問わず、難関大や理系学部への積極的な志望が目立つという。特に女性は、国公立大では東京大や京都大などの難関大や、筑波大や岡山大といった準難関大で志望者が増えている。また、「医」「理」「工」などの理系学部で、昨年よりも志望者の増加が目立つ。早稲田大や明治大、立命館大といった私立の難関大でも、同様の傾向が見られる。
近藤さんは、保護者の考え方の変化などを反映するとともに、今の高校3年生が入学当初からコロナ禍に見舞われてきた影響を指摘する。「ニュースをよく見たり、テレワーク中の両親と会話したりして、視野を広げた生徒は多いだろう。コロナ禍で活躍した医療系や就職に強そうな理系の学部に、コロナ禍で低迷した国際系などから女性が流れたのではないか」と話す。
理工系を学ぶ女性をめぐっては、岸田文雄首相が議長を務める政府の教育未来創造会議が昨春、増加策の強化を提言。また昨秋には、東京工業大が入試に143人の「女子枠」を設けると発表した。こうした動きについて近藤さんは「今年の受験生への影響は小さい。だが来年以降、理系を志望する女性がさらに増えることにつながる可能性がある」と述べた。
18歳人口が昨年より約2万…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル